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2024.04.05

角地とは?定義や相続するメリット、デメリット、注意点を解説

角地とは?定義や相続するメリット、デメリット、注意点を解説

角地とは、交差点やT字路などにあり、2面が道路に接した土地のことをいいます。日当たりの良さや建ぺい率が緩和されることなどから人気があり、資産価値も高い土地です。

角地を相続した場合は、有効活用するためにも、角地の基本的な性質や建築に関するルールについて把握することが大切です。

今回は、角地の定義、角地の建築に関連するルールと規制、角地を相続するメリットとデメリット、活用する場合の注意点などについて解説します。

角地とは

まずは角地の定義や類似する土地について説明します。

1.角地の定義

角地とは、交差点やT字路など、交差する2つの道路に、正面と側面が接している土地のことをいいます。接道部分の長さにも規定があり、敷地周長の3分の1以上でなければなりません。さらに土地の内角度は120度未満である必要があります。

2.角地に類する土地

角地とよく似た土地に準角地と角敷地があります。

  • 準角地

準角地も土地の正面と側面が道路に接している土地です。角地とは接している道路の形状が違います。角地が接しているのが交差点やT字路であるのに対し、準角地が接するのはL字路です。

準角地も「角地」と呼ばれるのが一般的で、同じルールが適用されますが、資産価値としては角地よりも少々低くなる傾向にあります。

  • 角敷地

道路の他、公園や河川と接している土地です。接する道路は、角地のように交差していなくても問題ありません。正面と背面が接するような場合でも該当します。角敷地に該当するかどうかは、自治体の指定によります。

角地の建築に関連するルールと規制

角地は特殊な土地ということもあり、さまざまなルールが設けられています。角地の性質を理解するためにも、関係するルールを知っておきましょう。

1.角地緩和|建ぺい率についての緩和措置

角地緩和とは、角地に建てる建物の建ぺい率を加算するというものです。

建物を建てる場合、土地いっぱいに建築することはできません。周囲の日照に配慮したり火災が発生した際に延焼を防いだりするためです。建物を建築できる面積の上限を「建ぺい率」と呼びますが、角地の場合は通常の建物より建ぺい率が10%加算されます。これは角地が2つの道路に接しているため、他の形状の土地よりもスペースに余裕があることが、その理由です。

ただし、角地緩和の適用を受けるには、要件を満たす必要があります。要件は地域によって異なるため、自治体の公式サイトで確認するか、役所の建築指導課などに問い合わせましょう。

2.隅切り|角地の角は空けなければならない

隅切りとは、車両の通行性を確保するために、角地の角を道路や空き地にすることです。隅切りによって、道路の見通しが良くなったり、車両が曲がりやすくなったりします。隅切りが必要かどうか、隅切りの範囲などについては、各都道府県の安全条例で定められており、その内容は地域によって異なります。

また、車両の通行性の確保を目的とするため、隅切り部分にプランターなど、通行の妨げになるようなものを置いてはいけません。悪質だと判断された場合は逮捕されるケースもあるので注意しましょう。

3.道路斜線制限|道路の幅に対する建物の高さの規制

道路に面して建っている建物には、高さ制限があります。各自が自由な高さで建物を建てると道路の採光性や通風性が損なわれる可能性があるからです。これを「道路斜線制限」といい、具体的にどれくらいの高さに制限されるかは、建物が接する道路の幅員によります。

角地も道路に接するため、当然、この制限の対象となり、建物を建築する際は、高さを考慮しなければなりません。

ただし、角地には接する道路が2つあるため、狭い方の道路の斜線制限は緩和されます。

角地を相続する4つのメリット

角地は一般的に人気の高い形状の土地です。角地を相続するメリットとしては、以下の4つが挙げられます。

1.日当たり良好

角地は2面も道路に接しているため、他の形状の土地よりも日当たりを確保しやすい土地です。採光性が高いため、室内は明るく、冬でも暖かいでしょう。

また、湿度も高くなりにくいため、洗濯物を室内干ししても乾きやすいので、生活しやすい土地といえるでしょう。

2.自由に設計できる

他の土地では実現できない設計をできることもメリットの一つです。例えば、玄関は道路と接している2面のうちのどちらにでも設置できますし、一方を玄関にして、もう一方を駐車スペースにすることも可能です。

3.建ぺい率が高い

角地緩和により、通常よりも高い建ぺい率での建築も可能である点も大きなメリットです。土地を広く使える分、大きな建物を建築でき、設計の自由度も高まります。

4.高値で売却や賃貸がしやすい

角地は魅力的なメリットが多いことから、人気があります。そのため、資産価値が高く、値崩れもしにくいでしょう。売却や賃貸をしやすく、相場よりも少々高い程度の値段であれば、短期間で買い手が見つかるはずです。

角地を相続する6つのデメリット

魅力的なことが多い角地ですが、デメリットもあります。主なデメリットについて説明します。

1.建築物を建てる際、道路斜線制限の影響を受ける

これから角地に建物を建築しようという場合は、道路斜線制限によって建物の高さに制限が加わることに注意しましょう。

道路斜線制限は、道路に面する全ての建物に課される制限です。2つの道路に接する角地の場合は、2方向分制限されます。その分緩和はされますが、基本的に高い建物は建てられません。

なお、道路の境界線から後退させて建築する、いわゆる「セットバック」をすれば、高さ制限は多少緩和されます。

2.人目に触れやすい

角地に建設された建築物は、2方向の道路に接している分、通行人の目が気になる場合があるでしょう。プライバシーを守るためにも、外壁や生垣を設けるなどして対策する必要があります。

3.空き巣に狙われやすい

角地は、空き巣に狙われやすい土地でもあります。2方向の道路に接している分、空き巣にとっては下見がしやすく、逃走経路も確保しやすいことが要因です。特に接している道路が幹線道路などで往来が激しい場合、多少大きな音がしても、周囲の騒音にかき消されます。窓ガラスを割られても気づかれにくいので、狙われやすいでしょう。

ガラス窓や扉を強化したり、短時間の外出でもしっかり戸締りをしたりするなどの対策が必要です。

4.外構工事をする場合コストが高い

人目に触れやすく、空き巣に狙われやすいため、角地に建つ家は外構工事を施す場合も多いでしょう。しかし、角地に建つ建物は、道路に面する範囲が広い分、工事が必要な範囲も広くなり、工事にかかるコストが高くなる傾向があります。

5.日当たりや騒音対策などをする必要がある

日当たりがよいという角地のメリットがデメリットに転じる場合もあります。周辺に障害物がない分、直射日光が部屋に差し込みやすく、特に夏場は部屋の温度が上がりやすいでしょう。室温が上がりすぎないようにするためにも、これから建物を建築するなら、外壁の素材は断熱性の高いものを採用したり、窓の位置を工夫したりする必要があります。

また、面する道路の交通量が多い場合は、車の騒音が気になる可能性もあります。防音材を使用する、窓を二重窓にするなどの対策も必要かもしれません。

6.固定資産税が高い

角地は、他の土地よりも資産価値が高い分、10~20%程度固定資産税が高い傾向があります。固定資産税は毎年課税されるものであるため、あらかじめ被相続人あてに届いた納税通知書を確認するなどしてから相続を検討した方がよい場合もあるでしょう。納税通知書が見当たらない場合は、役所の担当課で固定資産税課税台帳を確認するか、固定資産税評価証明を取得して調べましょう。

相続した角地を活用する場合の注意点

角地に建物を建設する場合、以下のことに注意しましょう。

1.方角によって特徴が異なる

日当たりの良さは角地の大きなメリットの一つですが、どの方角にあるかによって、日の当たる時間が違い、特徴が異なります。相続した角地を有効活用するためにも、方角ごとの特徴を把握しておくのが望ましいでしょう。各方角の角地とそれぞれの特徴は以下のとおりです。

  • 北西角地:日中の日当たりは良いとはいえず、西日しか期待できません。そのため他の方角の角地と比べると資産価値は低い傾向にあります。
  • 北東角地:日当たりが最も期待できるのは午前中です。午後以降は日当たりがあまり良いとはいえませんが、真夏はその分涼しく過ごしやすいでしょう。
  • 南西角地:午後以降、日当たりは良好ですが、西日がきついため、工夫が必要です。
  • 南東角地:日中の日当たりが良く、人気が高い方角です。他の角地よりも資産価値が高い傾向にあります。

2.侵入されやすい

角地には隅切りが必要であり、角にあたる部分を道路や空き地にしなければなりません。特に開放感を求めてオープン外構にすると、想定外に車や自転車が侵入したり、子どもが入り込んだりして不快な思いをする場合もあるでしょう。フェンスや植栽を取り入れるなどして対策をする必要があります。

まとめ

今回は、角地の定義、角地の建築に関連するルールと規制、角地を相続するメリットとデメリット、活用する場合の注意点などについて解説しました。

角地は、日当たりがよい、建ぺい率が高いなどのメリットから、人気があり、資産価値が高い傾向にあります。角地を相続した場合、有利な条件で売却できる可能性がありますし、賃貸などで有効活用することもできるでしょう。

相続した角地をどのように活用すればよいかわからないという場合は、信頼できる専門家に相談するとよいでしょう。相続不動産の取り扱い実績が豊富な会社なら、適切な活用方法を提案してもらえるはずです。

当社では、不動産相続に関するさまざまな相談に対応しております。角地の相続に関する相談も可能なので、お気軽にお問合せください。